これは…想像より何倍も重く心にのしかかった。鮮やかな色彩と対照的な貧しい母子家庭世帯。「だから貧しいのよ」が刺さりすぎる。
鮮やかな世界で楽しげに遊ぶ子ども達を見るのがこんなに辛いのは何故だろう。ヘイリーがムーニーを愛しているのは分かるけど、もっと方法はあったでしょ。多くの人はこう思う。でもヘイリーも恐らく同じような環境で育ったのだろう。
子どもは親の姿を見て育つ。親が下品な言葉を使えば子どもも真似をする。他人に金をたかれば罪悪感も無く金をせびるようになる。生意気な子どもに最初はイラついたものの、それしか生きる術を知らない子に最後は同情した。
ヘイリーは貧しい環境の中で生きる術を模索してたのかもしれない。誰かがもっと早い段階で真っ当な道を歩ませてあげられていたら…そう考えるとあんなラストを迎えることは無かったんだろう。映画なのにすごくリアルで胸がいっぱいになった。でもこれは珍しい事なんかじゃなくて多分どこでも起こり得る悲劇なんだろうな。
教育と生活環境の重要性がよく分かる。全ての子どもが満足な環境の中で健やかに育つ事は簡単なようでとても難しい。子どもが大人の事情を理解しないですくすく育つことができる世界になってほしい、切実に。