貧困家族の悲劇と希望を描く傑作映画。Amazon Prime 配信視聴。
この映画は米国の貧困層の悲惨な生活を子供達とモーテル管理人の目を通して描く社会派ヒューマンドラマ。
極彩色の住宅と周辺の建物。居住する安モーテルはパープル色。住民の生活色とは真逆の演出である。これは視覚的効果があり、暗い映画を救っている。
また、子供目線の低いカメラがドキュメンタリータッチのリアル感をうまく撮影している。
純粋な子供達と生活に疲れて正気を失った大人たちのエピソードは悲惨で悲しい世界だ。
この映画の評価はインディーズ映画のためか一般的に高くない。悲惨な日常生活が延々と描写されるためかも知れない。
しかし、ラストに子供達がとる行動がそれを払拭する。この行動は映画のテーマをすべて語っており、高鳴る音楽と共に感動する最高のシーンが待ち受けている。余韻を保つエンドロールも良かった。
子供達をやさしく見守るモーテル管理人役のウィレム・デフォーの演技が何故か泣ける。口は悪いが貧困層の立場に立って行動する姿は正に「アメリカの良心」そのものだ。
