コミナミ

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのコミナミのレビュー・感想・評価

4.3
デジタルの発達で知りたい情報を簡単に手に入れることが出来るようになった現代、その中で図書館が担うべき役割とは一体何なのか?

図書館には、本の貸し借りだけでなく、それに付随する特別な価値があると思った。

というのも、3時間25分にわたってニューヨーク公共図書館の様々な顔が映し出されるから。

教育機関としての図書館。
アーティストや作家の講演会や、絵画鑑賞等の教育プログラムは、膨大な文化的・芸術的資料を収蔵するニューヨーク公共図書館だからこそ展開できる強みだと感じた。

情報機関としての図書館。
ネットニュースのように改ざんされ得る情報ではなく、ありのままの情報に触れることができる。
多額の税金を使い嘘を伝えていると名指しで出版社を批判する場面もあった映画終盤の市民との意見交換のシーンがとても印象的でした。

市民に寄り添う存在としての図書館。
子育て支援の交流会や、就業支援のための説明会など、図書館の幅広い取り組みには驚きました。
特に、デジタル社会に対応するための勉強会やサービスを展開していることは、自分が想像する図書館の業務とは正反対の内容だったのでめちゃくちゃ意外で勉強になりました。

その他にも、図書館が持つ社会的責任に対してスタッフが日々模索し努力する姿が印象的でした。
「市民の、市民による、市民のための図書館」であり、生活の一部として機能しているんですねぇ

余白を作りながらもテンポ良く進むので観やすいです!さすがワイズマンですね…

図書館の見方が180度変わるし、何よりもニューヨーク公共図書館に行きたくなります。そんな作品です。

外観も綺麗だし、ゴーストバスターズにも出てきたし!死ぬまでに一度は行きたい!
コミナミ

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