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呪[ノロイエ]家の消費者のレビュー・感想・評価

呪[ノロイエ]家(2017年製作の映画)
2.1
・ジャンル
心霊ビデオ/オムニバス/モキュメンタリー

・あらすじ
1. 「黒衣の女」
事件や事故の現場を撮影する事を密かな趣味としていた投稿者の男性
その日、彼が訪れたのは殺人事件が起きたという事故物件であった
そして彼はマンションの6階で不気味な女性に遭遇し…

2. 「悲鳴は聞こえない」
休日、バイト先の友人が住むアパートへと泊まりに来ていた投稿者の男性
友人の言うところでは引っ越し以来、何者かによる深夜のチャイムに悩まされているのだという
そして日中、チャイムが鳴りドアを開くとそこには住人の男性がいた
チャイムの主はその男性であったのだが彼が語った理由は不可解な物で…

3. 「心中の家」
事故物件を取り扱う場合、不動産業者にはその後1人目の住人にのみ告知義務がある
その為、自らがその1人目となる事で報酬を受けるルームロンダリングという仕事が存在する
投稿者の女性、暮木楓(仮名)はその様子を記録映像に残し続けてきた女性だった
今回、彼女が暮らす家は夫妻と娘の住んでいた一軒家で夫の手により一家心中が引き起こされたのだという
暮木が暮らし始めて間も無く、物件では奇妙な物音が目立ち始める
しかし彼女はそれまでの経験もありさほど恐怖は感じていなかった
そして3ヶ月の居住期間が終了に近付いた事件同日、暮木は信じられない物を目の当たりにする…

・感想
事故物件を中心とした住宅での怪異を投稿映像として3話構成で描いたオムニバス形式の心霊ビデオ作品

初めの2本の映像は極めてありきたりで言ってしまえば「ほん呪」の下位互換という感じ
ナレーションも本家に比べ拙いし霊その物だけでなく映し方も大分安っぽい
そして3本目、これが本作の肝であり尺の大半を占めていたけれどそれにしては弱いかなぁ…と

投稿者の女性、暮木楓は売る目的で映像を撮っている様でしばらくだらだらと同じ様なほぼ物音のみの現象が続くのみなのは心霊YouTuberの動画を観る感覚でいればそこまで気にはならなかった
冗長と言えば冗長なんだけど、だからこそ日常が徐々に蝕まれていく生々しさという物が演出出来る部分はあると思うので
敢えて言及されない映り込み等もJホラーの王道を低予算で踏襲しているという感じでこれもまぁ許容範囲

問題はクライマックス
それまで基本的に平常心を保ってきて何なら霊への苛立ちまで見せていた事を考えると急激にわざとらしく恐怖を見せ始めてくるのがとにかく残念…
そこに至るまでの1人喋りや友人との会話などがリアルだっただけに一気に冷めてしまった
怪異自体は映像としてやり過ぎてなくて不気味だったんだけどなぁ…
あと最後にナレーターが全部説明してしまうのも萎えた…

他に細かい点では初めの2本に戻るとカメラワークがいかにも「POVですよ!ファウンドフッテージですよ!」とアピールしてるかの様な動きや無駄に長いリプレイ、わざとらしい振り向き演出などが気になった…
低予算で身内で製作するにしてももう少し作り込めなかったかなぁという事もあるし、もっと言えば正直この2本いらなくない…?とさえ感じる
3本目を尺を調整するか怪異を作り込んで増やすかして1本のショートフィルムに仕上げた方がマシだった気がする

全体の尺が50分と短いのにどれも目新しさにも怖さにもリアルさにも欠けていて長く感じたので暇潰しにもちょっと厳しいかな…
一応2作目も観るけど期待は出来なさそう…
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