ワンコ

マーウェンのワンコのレビュー・感想・評価

マーウェン(2018年製作の映画)
4.1
変わらなかったもの
暴行の前後でマークに唯一変わらなかったことがある。
女性のヒールに対する気持ちだ。
収集したいというような執着心だろか。
ホーギー大佐と一緒にナチと戦う相棒たちが皆、女性でアマゾネスばりの強さであることを考えると、女性に対する何かリスペクトがあるのだろうか。
映画の中でも、マークは、こうした女性に対するリスペクトの言葉を話していたように思う。
それとも、女性恐怖症…だったりしてと、
イマジネーションは掻き立てられる。
ただ、マークがハイ・ヒールを履いて颯爽と歩く姿を見ると、ヒールで背筋がシュッと伸び、視線も高くなって、たとえ10数センチ程度でも、世界が違って見えていたのかもしれない。
僕は、ヒールを履いて歩いたことはないが、女性の皆さん、どうだろうか。
#KuToo で、ちょっとバッドタイミングな上映になってしまったところがあるのかもしれないが、女性が自ら望んで、颯爽と、かっこよくいられるのであれば良いような気もする。

マークのように、何か変わらず好きなものがあれば、そこから人の才能は膨らむのかもしれない。
いろんな分野で才能を発揮できるのかもしれない。
イラストでも、フィギュアを登場人物にした写真でも。

そして…、実は、マークにはもう一つ変わらなかったことがあるように思った。
それは、マークにもともと備わった優しさだ。
暴行をした5人を前にして、たどたどしくも、マークは、この人達はもう出てこれないんだから…と言っていた。
肝心な部分は聞こえなかったが、何か優しい言葉をかけようとしたに違いない。

ヒールで颯爽としてたら、優しくもいられるのだろうか。

颯爽としてれば、心も軽やかで、強くも、優しくもいられるのかもしれない。

デロリアンが登場した時には、バック・トゥ・ザ・フューチャーのワクワク感を思い出した。
この映画は、ゼメキスにとってのヒールのようなものではないか。

何か好きなものを大切にして、心配事はデロリアンで、遠い遠い未来に追いやってしまって、心を少し軽やかにして生きられたら、割と未来は明るく楽しいのかもしれない。
ワンコ

ワンコ