持て余す

キラー・メイズの持て余すのレビュー・感想・評価

キラー・メイズ(2017年製作の映画)
2.5
これ原題も『Dave Made a Maze』になっているけど、Maze/迷路ではなくない?

迷路って入り口と出口は別じゃないと(多分)成立しないと思うのだけど、違うのかな? じゃあ、ミノタウロスが出てくるから迷宮/labyrinthかっていうと、調べた感じだとそれとも違う(条件を満たしてないと思う)みたいだし、これなんなのだろう。

まあ、広義の意味では迷路なのかなとは思うし、昔流行ってた巨大迷路(バブル感)に近い感じはする。作り手もそんなに深く考えてはいないと思う。

迷路であるにしろ迷宮であるにしろ、だからなんだというわけでもないし、この映画の登場人物たちが醸す学生ノリというかモラトリアムというか、アーティスト気取りというか、意識だけは高い系の、つまるところ悪い意味でユーチューバーのような──彼らの感情移入を阻む感じの方が大きい。

急に思い立って段ボールで迷路を作っていたら当人が出られなくなっちゃっていて、旅行帰りの彼女は怒るやら困るやらで途方に暮れていると、友だち(映像系なのかな)がわいわい集まってきて、やめろと言うのも聞かずに迷路に入ってしまったので、一緒に脱出するまでのお話。

こんな意味の解らない内容なので、本来ならばいけすかない暗喩と願い下げな教訓にまみれた展開になりそうなものなのに、ノリが軽い。かと言って、尊大なアート作品になるわけでもない。なんか珍しい映画。

ただ、珍しいから素晴らしいかと言えばそんなわけもなく、「なんだこりゃ」のまま終わったのでした。
持て余す

持て余す