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ミスミソウのouckyのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
5.0
監督は「先生を流産させる会」などを監督した内藤瑛亮。危うい10代の子供の暴走を独特のタッチで描く監督だと僕は思ってます。
そもそも、原作漫画が大好きで正直実写化されると聞いた時にはかなりの不安がありました。内容的に理不尽な残酷描写が描かれており、実現するにはちょっとハードル高いかな?と…。

しかし、本作の暴力描写は凄まじい…。思わず目を見張るとはこの事かと言わんばかり。
グロテスクな破壊描写というより息を飲むような演出。細かい音の演出やカメラワーク、血の演出など全てがマッチング。観ていて何度も眉を潜めてしまいました。

それ以外にも全てが押し潰されてしまうような重々しい空気や、壮絶なイジメなど巧みな演技と演出で見事に見せてくれます。特に今回出演している若い役者の芝居が最高に素晴らしい。やはりこれは内藤監督ならではないでしょうか?自然な演技から陰湿なイジメシーン、殺意漲るシーンなど、ホント素晴らしい。

そして、深い雪山に撒き散らされる血潮。とても綺麗に描かれていました。
数々の雪山のシーンはキャストもスタッフも大変だったでしょうに…。
しかし、物凄い説得力がある映像に仕上がっていました。

そして音楽。然程派手な音楽では無いですがセリフとセリフの間を埋める素晴らしいものばかり、セリフだけで物語を進め、ドンと音を出す。いやー効果的でした。音楽が無くてドラマを成立させるのはやはり、役者と監督の力量ですね!

最後に、原作のヤバさが気になって実写を観るのが少し躊躇されました。それと予告編観ても「あっなんかダメな感じ…」だったのですが、ここまで圧倒されるとは思いもよりませんでした。
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