ATSUSHI

ミスミソウのATSUSHIのレビュー・感想・評価

ミスミソウ(2017年製作の映画)
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※原作未読レビュー

『女は二度決断する』の再見からすっかりリベンジモードになって、つい手が伸びちゃった☆(立派な闇堕ち)


<クソ田舎>の捨て文句の意味が段々分かってきた。
奇遇にも公開年月日がピッタリ一緒の『わたしは絶対に許さない』同様に、田舎の怖さが克明に刻まれている。雪景色を背景に鮮血が滲んでいく描写まで一緒!
この映画で見る狂気は、東京への憧れが次第に歪んだ欣羨、やがては憎悪へ、そして血濡れた惨劇への引き金へ成り果てていくわけだ。

そもそも<田舎は怖い>って概念はどの国も一緒なのね。『悪魔のいけにえ』だって実話だし!


こういう田舎の醜さに顔が引きつるだけの映画かと思ったら割とそうでも無くて、演技面で残念な箇所も見受けたりする。特にきっかけの火事のシーン。
家族を奪われた絶望に打ちひしがれる様はダイアン・クルーガーとかトニ・コレットにモノにされちゃった感があるせいか、山田杏奈さんが余計残念に見えちゃったか…

では『アイ・スピット』シリーズと並ぶリベンジスリラーとしては、と聞かれてもこれも疎か。用意周到なトラップを張った復讐ではなく、相手にのし掛かられるところたまたま手元にあったナイフでサクッと一撃、みたいなファンタジーシーンが相次ぐので期待しすぎは禁物。

辛うじて鑑賞に耐えうるのは、然るべきときスプラッターを見せるところに尽きる。
内藤監督は山田悠介原作の映画化作品『パズル』で画的センスが光っていたので、ここでもその期待に応えてくれている。