鑑賞後もなお、ミルドレッドのよく通る声と真っ赤なビルボードが頭から離れない。
展開に振り回される気持ち良さ、久々です。ヘヴィな中でジワジワくる、気の利いたウィットの数々(特に19歳の彼女のあの感じ笑)。
犯人の手掛かりすら掴めない警察に喧嘩を売りつつも、自分自身を一番恨んでいるようにも見えるミルドレッド。しかしディクソンもまた彼女と似た閉塞感と、どうしようもない孤独を抱えている事が明るみになると、周囲の目を構う事なく当たり散らす態度のつ一つが腑に落ちていく。
(サム・ロックウェルの今までのキャラの王道を行きつつその真骨頂だと思った。ダンスシーンは無いけど。)
ウィルビーの器のデカさや、神になぞらえたような支柱的存在感がこの作品での救いな気がした。
舞台である町のシケっぷり、しょっぱい感じ(苦笑)のディテールも生々しくて、登場人物全員がマジで生活してそうだった。
時代が微妙に今ではないのも効果的。
