スリー・ビルボードのきみちゃんのレビュー・感想・評価

人間は善でも悪でもなく、誰でも心の中に怒りや憎しみ、偏見を持つことがある。
それが負の連鎖になった時、物事は悪い方へと転がりだす。きれいごとではない人間の内面を描いたドラマ。
善にみえる署長も、最後は自殺して自己完結している。常に差別される側であったであろう背の低い彼が、レストランでミルドレッドに言った言葉が、一番まともに思えた。
登場人物の誰にも安易に感情移入させない手法は、観るものに人間のありようをより深く考えさせる。闘うべきものは、自分の心の中にある。