Kenzo

スリー・ビルボードのKenzoのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

後悔・怒り・悲しみ・罪悪感。これらネガティブな感情の行き所を失った人々が起こす行動は、さらなるネガティブな結果を生んでいく。
まさに止まらない負の連鎖。
だが、その中である決定的な負の行動と精一杯の優しさと暖かさを持った言葉がクロスし、事態は少しずつポジティブな側面を持ち始める。
どの登場人物も哀しく、愚かで、どうしようもなく人間的だけど、だからこそ人として善くなる可能性も秘めている。
脚本の緻密さ、俳優陣の演技の素晴らしさ、シリアスなテーマに潜ませた僅かなポジティブさ。
まさに非の打ち所のない作品。
ただ、砂っぽい国で行われた凄惨な事件でリダクテッドを連想しなかったのは私の見識の浅さであった。
反省。
もう一度観返したら、さらなるディティールの巧みさに気付いて、また評価が上がるかもしれない。
ただ、シリアスな社会派ドラマとして比較すると、現時点ではデトロイトの方が個人的好みとしては上かな。

余談だが、警察署長は演じているのがウディ・ハレルソンなので、絶対に腹に一物抱えた奴だと思っていたら、最期まで超いい人で面食らったw
Kenzo

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