スリー・ビルボードのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード2017年製作の映画)

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

上映日:2018年02月01日

製作国:

上映時間:115分

ジャンル:

4.0

あらすじ

「スリー・ビルボード」に投稿されたネタバレ・内容・結末

根源的な悪は別の場所にあるのに、怒りの矛先を間違った方向に向けてしまい、怒りが怒りを来す。見えない敵に苛立ち、憎しみ、目に見える第三者を傷つけてしまう。これ収集つくのかなぁと思ってみてたら、良い感じに終わっちゃうのね。久しぶりに見入ってしまった。
この映画の目的は「メディア批判」でも「警察批判」でもない。私たちのあり方を批判していると思った。
その批判を批判と感じさせず、私たちにストンと落ちるようにまとめられたこの映画は最高だ。

「道々考えること」がこの映画のテーマだが、一見して上の二つの批判がテーマに見えるのは、その二つに私たちがすべき事を任せ切ってしまっているからだ。

もちろん任せることで、私たちは他のもっと重要でない事を考えることができる。そのように分業してきたのが近代であるし、それによって発展してきた。
しかし、メディアや警察が機能しなくなった時、私たちはその対処法を全く忘れてしまっている。

ちょうどそれは、私たちが高度な技術によって処理された水道水を毎日使っていて、蛇口をひねれば水が出てくる代わりに、人間が何世紀もかけて培ってきた井戸の使い方は忘れてしまったように。

メディアは問題に火をつけることには長けているが、その扱い方を知らない。
炎は人間を温め、生かすことができるが、人間を真っ黒に焦がすことも、憎い看板を焼くこともできるのに。
かれらは火を付けて問題には近づこうとはしない。
鎮火した看板の前で「問題に終止符が打たれた。」と現実を直視しないアナウンサーに主人公が「ビッチ」と吐き捨てた時、
私たちがミルドレッド側に立とうとするか、それともカメラの奥で朝食を食べながら今日の仕事のことを考えるかが問われている。

警察は人を裁くことを独占している。(正確に言えば逮捕権)しかし、それは警察があくまで善であるという前提に基づく。警官が圧倒的暴力で人間を殴りつけたり、もしくは組織ごと敵に回したとき私たちはその前提がどれほど危ういかを知る。そのとき私を守ってくれるものはない。映画『パージ』のように無法地帯に放り出される。
その危うさを知り、自ら警察を裁いたのがミルドレッドだ。

私たちはあまりにも人に任せすぎてしまっている。「道々考える」とは問題を自分自身のこととして考えることだ。「メディア」「警察」という間接機関を通してではなく直接私たちが考えるということだ。

この映画では直接考えることを「2人」の関係で表現している気がする。

ビルとミルドレッド
レッドとディクソン
ディクソンとミルドレッド

2者の直接的関係であるからこそ、二項の前者は後者を赦したのではないか。社会の中でどれだけ犯罪的なことであろうと。

そこに私たちの希望と「道々考える」ことの難しさが描かれているような気がした
最後釈然としないーー
なんでこの終わり方で行こうと思ったんだろう
追記:山本航平さんのレビューを読んではぁーーなるほど、となった。
愛と相手への思いやりと敬意は
人が人として生きていく中でとても重要なんだな。
ウィロビー署長が全てを教えてくれたと思う。ハレルソンすき。
物語に余計な描写はひとつもない。
言葉やシーンに無くても、表情とか行動で表現されているから
登場人物全員の心の動きを自然と理解する事ができた。演技派最強。
えっ、こんなとこで終わんのってのは思ったけど。
だってこれじゃぁ主人公がやり過ぎでしょ。
警察に火つけてさ大火傷おわせて。
確かにディクソンは嫌な人種差別野郎だったけど、警察はちゃんと仕事してたやん。
ウィロビー所長もいい人で。
ただただ主人公が嫌な奴やん。
みんな演技抜群やけど。
主役はさることながらイーサン・ホークが素晴らしかった。いい感じに歳とったよな。
炎上マーケティングの話

結局は娘や所長の死に焦点を当てていて、
死とかそりゃ観てる方は心は動くよなあと思うし、半面じゃあそれに価値が無いのかというとそうじゃ無いとも思う。
それは人と同じことしたくない!って作り手のこだわりなんじゃないかな。受け止め方にも死ぬ人の在り方にも映画にしてチンケじゃないものはあると思う。

この映画においては娘の死とビルボードによって巻き起こる様がいい
映画的魅力満載の映画好き必見の作品。
誰がいいヤツ悪いヤツかわからなくなる。好きなシーンは、サムが二階まで殴りこみにいく長回し、これもとんだ極悪人かと思ったら署長がガンという事実により撤回される。
ラストも好き
真面目にラスト後予想すると、あのままラブホに直行
途中まで「やばい…ヤンキーしかいない…どう考えてもバッドエンドしかない…」って思っていたのが一変、なんでそんな綺麗な終わり方できるの…
ああいう終わり方されると「最後まで見せてよォォッ!」ってなるけど、この映画はここで終わって本当に良かったと思います
シリアスなのに絶妙に笑える映画が大好きなのもあって最高
久しぶりに映画を観ながら泣いてしまいました。
みんな間違ったことをしているけどみんなそれぞれの愛がある。
(クソなのは父親だけでした)
しでかすことがどれもこれも犯罪ばかりでええー!となりましたが。激しすぎる!

母親は、見ためはあんなに屈強で怖いのに(笑)
狂気的な怒りだけじゃなく、勿論苦しみも哀しみあって、
それでもどうしても気持ちを止められない、
でもその中に優しさと弱さも見える、というすごい演技でした!

燃える看板の火を消そうと彼女が泣いて息子の名前を叫ぶシーンがせつなすぎる。
さすが主演女優賞✨

娘の事件よりも田舎町の腐った警察社会の方が目立って最初はもう腹が立って。
特にあの巡査なんて、こういう奴最低!と苛々しっぱなしだったのに
後半は180度見方が変わってしまうのが不思議。
署長さんが立派すぎる。
やっぱり人って、信頼する人から理解されて誉められて励まされたらその気持ちに応えるように頑張れるんですよね。
愛の力は偉大です。
看板の会社の男の子のオレンジジュースも泣けました。

最後は思わず「え!」と声が出ちゃいましたが(あそこで終わるとは思わなかった)
殺してやる!と怒りを露にするのではなく、ふたりして迷いながら向かうのがまた良い感じでした。

何も解決せず、最後どうなるのかも分からなかったけど、
何度も見たくなる心に残る映画でした!
犯人は見つからず解決されるどころか小さな街のすべてがかき乱されて終わる映画

全ての行動がエゴでしかないし個人的には全くスカッとしない終わり方だったけど、そこが逆に評価されたのだろうか
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