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スリー・ビルボードのrejocquのネタバレレビュー・内容・結末

スリー・ビルボード(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

あー泣いた よう泣くわほんま
ヒューマンドラマもカントリードラマもヒマなの多くて実は好きじゃないんですけど、これは別格でした。
一瞬で吸い込まれて、あの町の一人になってた。
薄汚くて保守的でバカの多い典型的な南部の田舎で、それなりの"最悪"が渦巻く環境。
馬鹿すぎてイラついたり、馬鹿すぎて笑えたりしつつ、生々しい人間のつまらない日常に巣食うクソ最悪がいっぱいある。
全然状況良くなってないけど、ほんのちょっっっとしたことがブワッて救いになる。めっちゃどんより暗いのに、なぜか、ホッとする映画だった。不思議すぎる。
ああいう、エンディングの先を観客に任せる最後はクソだと思ってたけど、これの場合正しい。
人間の性善説を押し付けたり、正義を押し付けたり、ダイバーシティを取ってつけたように華々しく取り入れたりせず、実際のとこ、こんなもんやで っていうとことか、無駄にドラマチックじゃないトーンもよかった。
等身大とか、リアルさ、とかそんなチープな言葉でいいたくない感じ。
本当にこれを見るべきで、なにかに気づくべきような人は、きっと見ないし、何も気づかないような気がする。でも、これで気付ける人がそれよりも多いと嬉しいのかもしれない。
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