ジャッキーケン

バース・オブ・ザ・ドラゴンのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

3.6
詠春拳を始めとするカンフーを人種関係なく全世界に広めようとするブルースリーvs少林寺からの使いでやってきた少林拳の達人ウォンジャックマン

実際の伝説を脚色した「フィクション」であるのが本作

そもそもリーがなぜウォンジャックマンと対決することになったかと言うと当時中国武術はアメリカでは中国人にしか教えてはならないというものでありリーは自身の祖母が白人であるということもあって人種の垣根を超えて中国武術や自身のルーツである詠春拳を広めようとする中、それを快く見ない少林寺がリーに罰を与えてるために中国からウォンジャックマンを差し向けたという説がある

本作のリーはなんと22歳!
「燃えよドラゴン」公開の9年前!
俳優としてこれからやっていくぞ!って時期でグリーンホーネットのカトーに抜擢されたタイムラインとリンクする時系列だ。

前半の傲慢さ全開のリーはなんか違うなぁ、映画で神格化されてるリーを極端に悪役サイドに見せるようなリーの描き方にかなり首を傾げた。

空手vsカンフーと称した大会での対決も一方的に空手をバカにするような言動と行動がリーがこんなことするはずないと思ったし、あらゆる武術に対するリスペクトを怠るはずのない精神性がおれが思ってる真逆の方向で描かれてるから前半のリーは精神面で若さが極端に出てる。

そんなリーと対決するためにやってきたウォンジャックマンはステレオタイプな少林寺の僧侶って感じでリーより好きだな
奥深い少林寺の考え方を歩く少林拳マスターに置き換えた感じで良いしウォンジャックマンがリーを諭すところなんかもリーの極振りした若さに対する師へ成長させる起爆剤となっている。

話の流れとしては
エイリアンvsプレデター
バットマンvsスーパーマン
のような典型的なvs映画
展開はお察しの通り、対決から共通の敵に立ち向かうために共闘する、実際はここまで勧善懲悪なことはしてないんだろうけどこれはフィクション!だからあり!
おれ的にはアリな展開だった!

アクションはそれなり
リー演じるフィリップウは顔は似てないけど動きはすごくリーっぽかったし映画撮影のシーンとか特徴捉えるなぁ!
ウォンジャックマンのアクロバティックな少林拳がかっこいいし敵陣に乗り込んでリーの闘いを見物しながら片手間に敵をぶちのめすのがかっこいい

本作は事実を基にしているもかなり脚色してるってところがあるからこれが全部事実だとは思わず肩の力を抜いてみて欲しい!
感覚としてはワンハリ、イングロリアスバスターズの事実改変タランティーノ映画の路線!