◆あらすじ◆
ヨッシー・ギンズバーグは刺激を求めて世界を旅しており、ボリビアで出会って友人となったケヴィンとマーカスとともにガイドのカールの案内でジャングル奥地への探検に出かける。しかし、マーカスの負傷をきっかけにグループの意見は対立し、2組に分かれて行動することになった。ヨッシーはケヴィンとともに手製のいかだで川を下っていたが、激流に飲まれてケヴィンと離れ離れになり、ヨッシーは一人でジャングルをさまようことになった。
◆感想◆
刺激を求めて世界を旅する主人公がボリビアのジャングルの奥地で遭難する姿を描いた作品となっており、実話をもとに製作された作品である分、主人公が次第に追い詰められていく心情や身体の状態が生々しく、観ていて痛々しく感じました。
主人公のヨッシー・ギンズバーグ(ダニエル・ラドクリフ)はまだまだ若い青年で外向的な性格をしていて、独りで海外旅行なんてとんでもないと思う私からすると、真似のできない人物でした。彼はボリビアに訪れてすぐにケヴィン(アレックス・ラッセル)やマーカス(ジョエル・ジャクソン)と友人となり、ガイドのカール(トーマス・クレッチマン)の誘いに乗ってジャングルの奥地へ探検することを決めます。カールの誘いに警戒していた2人に対して懇願して探検を進めたヨッシーの刺激を求める心情はなかなか理解に苦しむものでした。
このカールのガイドはメンバーに対する気遣いが欠けていて、どうにも胡散臭いものを感じました。カールは一人でどんどん先に進んでいく中で、マーカスは両脚を負傷して、グループ内での雰囲気が悪くなっていきます。観終わってみると、この時点で旅は詰んでいたように思います。
ストーリー中盤で手製のいかだで川下りするも、カールとケヴィンの中が険悪になり意見が分かれます。ここで陸地を進むカールとマーカス、川下りするヨッシーとケヴィンに分かれて進んでいくのですが、ヨッシーたちは濁流にのまれていかだが難破し、2人は離れ離れになります。
ストーリー後半はヨッシーがジャングルの中でさまよう姿が描かれ、日々が過ぎていくとともに彼が幻覚や負傷に悩まされ、底なし沼や昆虫に苦しめられる姿が続きます。幻覚の中で豪華な食事に囲まれ、ベットに横たわる姿が現れて現実のギャップがあって笑ってしまいました。また、ヨッシーの現状とともにケヴィンの経過も並行して描かれており、そのおかげでヨッシーの苦しむ姿ばかりにならず、緩急がついて本作を最後まで楽しむことができました。
実体験の映画化ということで、出不精の私からすればこんな経験は絶対したくないと思える作品になっていて、やっぱり家にいるのが一番だなあと思いました。作品として面白かった。
鑑賞日:2024年12月22日
鑑賞方法:U-NEXT