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ブリグズビー・ベアのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

両親と小さなシェルターの中で平和に暮らしてきた25歳の青年ジェームス。彼の楽しみは、子どもの頃から毎週ポストに届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見ること。ところがある日、警察が来て、両親だと思っていた2人が赤ちゃんだった彼を誘拐した犯人だと判明する。突然外の世界に連れ出され、本当の両親と高校生の妹と一緒に暮らすことになったジェームス。何もかもが初めてで、戸惑うばかり。しかも大好きだった「ブリグズビー・ベア」が見られなくなると知り、ショックを隠せないジェームスだったが...。2018年公開作。(あらすじ引用)


家族と毎日繰り返される、どこか奇妙なルーティン。その日々は全部偽りであり、両親と思っていたふたりは逮捕され、誘拐犯であると告げられる。長年、軟禁されていた主人公ジェームスは、なすがまま保護され本当の両親の元へ帰ることに。。という導入から、面白くて引き込まれました。低予算ぽい作品ながら心に響く素敵な作品でした。

25年、偽りの家族と過ごした中でも、ただ一つ「ブリグズビー・ベア」が大好きなことだけは紛れもない真実。しかし、心待ちに毎週観ていた「ブリグズビー・ベア」ですら、誘拐犯である偽両親がジェームスのために製作していた作品であることが発覚。解放されたはいいけど、誰とも共有できないのです。

偽両親との時間を塗り替えるように、実の家族が奔走し、ジェームスに手厚く接するけれど25年の空白を埋めることは容易くないのですよね。ブリグズビー・ベアのことも忘れさせようとします。軟禁状態にて偽両親としか接種しないできたジェームスは、少しずつ人とのコミニュケーションで学びながらも、ブリグズビー・ベアへの執着を捨てきれず。自ら続編を創りたい!と映画製作のイロハを勉強しながら周囲を巻き込んでいきます。

この作品のいいところは、好きなものに情熱を注ぐジェームスに向き合う人々がとても優しいこと。否定せず、寄り添い、寛容に包み込んでいく。そうすることで、ジェームズもどんどん学び心開いていくのです。

ガラリと環境が変化してしまった人、そういった人を前にした際の対処とか理想が詰まっていたようにも感じました。個々に持つ常識は得てして役に立たず、困難にある人にはただ寄り添うだけで手助けになる…というような。

けっして重い作品ではありません。誰一人として悪い人が登場しないので、あったかい気持ちになりたい時に観ると元気を貰える作品かもですね。久々にほっこりしました♪
マーク・ハミルがまた素晴らしい!


補足:アメリカの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」で活躍するコメディ・ユニットGOOD NEIGHBORのメンバー、カイル・ムーニーが脚本・主演を務め、同じくメンバーの一人、デイヴ・マッカリーが監督を務めた異色のハートウォーミング・ドラマ。
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