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ブリグズビー・ベアの乐趣のネタバレレビュー・内容・結末

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

始まった時は、こういう設定の映画なんだ。だったけど、警察が来て連行された辺りから
え、あれは元夫婦が造り上げた理想のような洗脳空間だったんだ、、と知り
は〜おもしろ、そんな始まり方するの斬新
ちゃんと見とけばよかった、、と後悔するほどの展開。
彼等は犯罪者だが、主人公の彼を凄く大切にしていたと思う。(警察が来たところで愛しているわと言っていたところから)
経緯に犯罪が絡んでしまっているが、あくまで、平和で愛おしい家族空間を大切にしていただけ、じゃなきゃあんな毎週のようにわざわざ子役まで使って、セットや台本を組み撮影したりしない。愛がなきゃそこまでしない。

そんな世界観がしっかりした所から突然の現実世界、本当の家族だとはいえ すぐに馴染めるわけない、と思ったが、彼はそれよりも「今週のブリグズビーベアは?」だった。
あ、そんな元家族のことは割とすぐにちゃんと犯罪者って認めてて(刑務所まで会いに行くが、アテレコして欲しかっただけなシーンを見て)、まあ本当の家族も別に悪くないけど、みたいな感覚?!ってちょっと驚いた
まあ、家族愛みたいなのがテーマじゃないからか

ちゃんと外の世界と断裂されて生きていた
現実世界を分かっていない彼という部分は所々に散らばっていたが、あ、割と理解はや普通に仲良くなったりするんやと思った
(まあこれもテーマと関係ないから)

良い友人と出会い、妹との関係性も良くなり、俳優志望だった良い警官とも出会う。
精神科?に送られるが抜け出してきた先には、ブリグズビーベアの続編を撮ろうとしてくれている理解してくれた両親たちもいて
何だかずっとあたたかかった。

彼は、虚像世界だとか、現実世界だとか、
そういうのはまあ割とどうでも良くて
ただずっと好きな「ブリグズビーベア」だけを追い求め、それを心の頼りにただ今を生きているというハツラツさが見ていて明るくなった。
警官も夢を叶えることが出来たり、友人も夢を叶えることが出来て、家族も彼が帰ってきたおかげで夢を描き続けられ(お父さんは家族を大切にする人なので家族でのお出かけの予定を立てたり、仕事休みにして彼と庭で遊ぼうとしたり)、ドラッグも回るパーティに出かける今どきの妹はそういうの無しの自然なロケ地で仲間たちと楽しそうに過ごしていたり、ブリグズビーベアを日々楽しみにしている人達が喜んでくれたり、続編まで見せてくれる所謂夢を叶えてくれたり、彼自身も新作のブリグズビーベアをみたい!の夢を叶えられたりと、「夢を叶える」映画だった。

この映画を勧められた時、
「あの頃何かの夢があった人が見たら感動する」と聞かされていたが、そういうことだったかと見た後に納得。

ブリグズビーベアの映画(?)を作ることを軸に進んでいくこの作品、最終的に劇場で上映することになるが、彼は途端に自信を失い
超満員の劇場の中、1人席を立ち、トイレにこもってしまう。
それを見兼ねた友人が、トイレまで行く
そして、この映画で1番好きな台詞は
「他人の評価なんてどうでもいいさ、君はやり遂げた」だ。

そう。それに尽きる。

出だしから面白く掴まれ、明るく、ほっこりするようなあたたかい作品だった。
ジャケでは選ばないだろう、なものだったが見てよかった。
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