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ブリグズビー・ベアのtubure400のレビュー・感想・評価

ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)
2.5
可愛らしい映画だと思ったし、途中からはすごく感動的で良かったけれども、結局の所emotionally manipulativeだった。

『ルーム』的に、幼少時代を監禁されてすごした青年が、徐々に現実世界に居場所を見つけて、監禁時代にforce fedされていた(誘拐犯が作った)オフ・ビートなヒーロー・ドラマをリクリエイトすることで、トラウマ(なのかどうかよくわからないけれども)を超克するという映画で、(深みはないんだけれども)魅力的なキャラクターに溢れていて、最終的にみんな良いやつで、感動的なBGMで大団円だった。

ただ、洗脳されて過ごした青年が、ある意味洗脳を解かれることなく自己表現をする様を、emotionally manipulativeなBGMに乗せて、感動的な調子で届けるというのもある意味洗脳的で、不器用な主人公たちが自己表現を通じて受け入れられる、ハートウォーミングな佳作、みたいな風にはどうにも受け取りづらい、独特の悪趣味さがあって、そういうのも現代的なのかしら、という複雑な後味を感じた。普通に感動したんだけれども、どこからともなく腐敗臭のする映画だった。
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