スローモーション男

ワンダーウーマン 1984のスローモーション男のレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
4.5
 今年最後の劇場鑑賞になると思う。

大傑作でした。パワーアップした続編、80年代のポップでモダンな世界観、欲望を操る敵、当時の社会状況、類似する現在の状況、メッセージ、ヒーロー映画を越した何かがあった。

前作の第一次世界大戦から70年近く経った1984年の世界でダイアナは人々を守り暮らしていた。そんななかスミソニアン博物館に一つの石が届く。それは願いを叶える石というが…

今回最大の魅力は敵の石油ビジネスマン、マックス。彼が、石の力を手に入れ世界中の人々の願いを叶えるかわりに世界を意のままに操る。どこかの大統領も同じようなことを?

そして、ダイアナと同じくパワーを手にいれるバーバラも力に溺れて自分を見失っていく。
ダイアナは生き帰ったスティーブと立ち向かっていく。

この映画は80年代の映画の雰囲気が漂っていました。最初のバトルは「リーサルウェポン」に似てて、カーチェイスやアクションはスピルバーグ映画っぽい。パティジェンキンスが自分の生きた時代をちゃんと描いています。

そしてクライマックス、マックスに操られた世界中の人々に、ダイアナは真実を伝えるため画面に話します。それは観客の我々にも訴えていました。この世の中は汚い。でもその倍も美しくなれる。

コロナウイルスで世界が崩壊寸前のなか、人々の心も変化しています。争いの起こるなか真実だけを信じるのです。

クリスマスのシーンはなぜか泣けてきました。素晴らしい映画です!