まっと

ワンダーウーマン 1984のまっとのネタバレレビュー・内容・結末

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

あとから思い返せば思い返すほどよくできた映画だったな〜〜!と感動しています 今じゃないと駄目な1984年だった
めちゃくちゃ軽々しく人類滅びますやん!と思ったけどよく考えたら神々の振るう力の規模からしたらこんなもんか……人の子が蟻の巣に水かけるようなもんだよね……(※人の子!蟻の巣にいたずらするな!)

神々の力と神秘を知り自身も規格外の力を持っているダイアナだからこそ、スティーブのどう考えてもハッピリーエバーアフターになりえない蘇りに希望を持っちゃったんじゃないかなあ、と思って泣いてしまいました
この映画は決してダイアナを等身大には描きません バーバラの言うようにやっぱりダイアナと私達は違う、でも違うからって痛みに強いわけじゃない
ダイアナが結局「たった一人」を捨てる形で力を取り戻すのは、ダイアナがすべきことだった 私もダイアナがその選択をして良かったと思う そもそもあってはいけない再会だったし でもこの「あってはいけない」部分がもし無かったら、ダイアナにその選択をさせることは結局「誰かの犠牲」を願うことになるんだよなあ……ダイアナはスーパーヒーローだから、今回はたまたま「だってスティーブお化けじゃん」の大義名分があるけど、ダイアナが力ある者だから、で片付けてはいけない気がする……でも結論が出ない……

ダイアナとスティーブの顛末だけでこんなにべらべら喋ってるのにこの映画、バーバラがいるんですよ!!!
拳で戦う相手はバーバラ、対話で解決する相手がマックス、というはっきりした分け方、とても好きです ていうか多分この映画で描かれるべきだった人はバーバラなんだな、と思っている

バーバラが言った「あなたは何を代償にしたの」「あなたは他を見下している」に返す言葉を持たないダイアナ、そして言葉を返させなかった制作陣に心臓バチコン打たれました バーバラもマックスも自己実現のためにこんなことになったのですが、バーバラの言ってしまえば「よくありそうな」苦しみって、世界を滅ぼせるくらいの重みを持っている どんな人間だって受け入れられたい、堂々と歩きたい、誰にも軽んじられたくない なのに誰かが誰かに不寛容なことは残念ながらよくある それの積み重ねで虐げられて自分を愛せなくなった魂は、世界を滅ぼしたっていい……
地球規模の人類滅亡と同じ規模で「あの子になりたい」に端を発する喧嘩を描いてくれて本当に嬉しくて、同時に本当に身につまされました 不寛容だったり人を軽んじる人になりたくない……

それにしたってバーバラがあのとき彼女が履いていたイカれてるアニマルプリントの生き物になったのは残酷すぎ……そして美しすぎ……

こんなに情動&情動なのに大味なアメコミアクションとしてもメチャ面白なのが天才の所業ですね! でも予告編で見た格好良いシーンがほぼ雑魚相手だったのにびっくり! 一般ピープルかい!

ところでなまじ馬鹿みたいな規模の力と知を持っているゆえにいろんなことを力技で解決してきたダイアナ&現代人(1984年時点)一年生のスティーブが非常に間抜けなミスで逃避行してるの、とても微笑ましかったですね
まっと

まっと