TakeshiHiraide

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのTakeshiHiraideのレビュー・感想・評価

4.0
ダニエル・クレイグ引退作。

007 スペクター(2015)は追えていなかったが、観ずとも分かる様な前作の表現とそして個人的に当代最高の監督・脚本家と信じてやまないキャリー・ジョージ・フクナガの傑作トゥルー・ディテクティブを彷彿させる他の追随を許さない重厚な脚本とストーリー展開が今までの007シリーズと比べても圧倒的にスリリングさを加速させる。

異国情緒溢れるイタリア・マテーラの洞窟住居やジャマイカの市街地を背景にしたド派手なアクションの数々、初の女性007ラシャーナ・リンチがMI6に加わりジェームズの地位が若干揺らいだ様に見える物の、新たに加わったジェームズの「家族」と言う要素が入り、それと世界秩序を守る為に敵地へ分け入っていく姿は家庭のある方々には明日への活力になる事間違い無し。
当初叩かれた不器用で人間的な弱みを見せがちだったダニエル・クレイグ版ボンドが回を重ねる毎に成熟し、絶頂期を迎えた今だからこそ引退が悔やまれる。

酷い目に遭って打ちのめされても寡言に男の色気とダンディーさを全身から放つ姿は弱気になった人間に喝を入れ、明日への希望と感動を与える筈。涙すら出た。
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