rejocqu

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのrejocquのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

監督のファンなので〜本作楽しみにしておりました。
きっと出世作になっただろう本作、こんな状況下で公開されてしまいちょっと不利ではありつつも、伝統的なタイトルだしダニエルボンドの千秋楽作品なのでしっかり歴史に名を刻めてるといいなあって。

赤と青が全体のキーカラーになっていて、
イタリアでのアクション、森の中のアクション、研究所のビジュアル、それぞれ最高だったなあ。

赤は敵の色、青はボンド側の色としておおよそ描かれていたと思う。
夕日が落ちて赤と青が混ざって反転するような水平線をバックに、ビルに侵入するシーンは実に美しく、あんなキレイな場転からの侵入シーン今まで見たことがない。

研究所で青く照らされながら、無双するシーンは脳内で「スーパーボンドタイム…」と思いながら見てましたw
研究所の▽や□や○が連続する通路で、○通路でちゃんとボンドのOPを再現したとこ、イチファンとしての純真な愛を感じたなあ。

ロケーションを最大限活用し、何がどうなってるか常に適切なタイミングで整理されるアクションシーンも素晴らしかったなあ。
ダニエルの渾身のアクション!
アナ・デ・アルマスの美しいアクションでは時計の針のように回転してキメるとこめっちゃよかったですね。
頻繁に出てきた螺旋階段は、今回の重要要素でもあるDNAの比喩だろうかな。

フクナガ監督の、日本好きは本作でも大量に取り入れられていて、全体的に日本的な藍色のブルーがかった色で、森のシーンや藍色がかった空気の色の山の映るシーンなんかは日本のようだった。
できるだけフィルム撮影に近づけた美しい黒さなど、彼の画づくりのこだわりを堪能できたのがとても嬉しかった。

研究所のシーンはネトフリの「マニアック」の雰囲気もすこし垣間見えつつ、
労働者のシルエットを取り入れた画づくりはミレーの絵画を超モダンにしたようなカッコよさでめちゃ好き。
毒の扱いも耽美的な日本庭園での風景、マチルダのシーンや、いたずらなSF的にジュウッと身体が溶けてしまったり、イギリス的なお茶だったり、ラミ・マレック自体が毒を体現するキャラクターだったり、あらゆる角度で描かれてるのも楽しめた要素の一つだった。

サフィンまでボンドがたどり着くまでがわりと重要な流れになってたので、サフィンがやべえ思想抱えて、何が動機か、何がモチベーションか、故に何するつもりかを語るシーンがちょっとギュッとしすぎてたかなあと思いつつ、まあええかとも思った。
あのタタミ部屋あたりのカット、ドゥニ版のブレードランナーとも似てたような!シュミに突き刺さる〜

アクション撮るのも、英国を立てるのも、アストンマーティンの扱いも実にスマートで、仕事デキるぅ…!好きィ…

しっかり死ぬとこ映ってたのも好感持てる。
rejocqu

rejocqu