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007/ノー・タイム・トゥ・ダイのczechのレビュー・感想・評価

3.7
アクション映画としては文句なしに熱い。

特にかっこいいッ!と思ったのは、ボンドのバイクアクションとパロマとの共闘シーン。あと終盤の階段でのアクションもよかった。大作っぽくない手ブレありの長回しが、逆に臨場感ある。

パロマ、めちゃくちゃ可愛い。セクシーな衣装なのにちょっと童顔で天然キャラ、そして長い脚を生かしたバリバリアクションはずるい。「ブレードランナー2049」のヒロインの方なんですね〜、気づかなかったけど、あの映画でもめちゃ可愛いと思ったっけ。

残念だったのは、サフィンのキャラがスカスカだったこと。
ラミ・マレックという強烈な存在感の役者に頼りきって、ビジュアル以外でキャラを描く気が感じられなかった。彼はただの日本通のロリコンさんなのだろうか...。

監督が日系の方だから舞台美術や衣装に日本要素をふんだんに入れたんだろうが、これまたビジュアルで(特に欧米の)観客を惹きつけるオリエンタリズムとしてしか機能してなくて、ストーリー的必然性がなさげだったのが残念。いっそサフィン自身を日系設定にしてしまえばよかったのでは? ギリギリ見えなくもないし...。

私的最近のアクション映画あるあるなのだけど、設定を複雑にしすぎて各キャラのディテールが描けてない、というまさに本作もそんな感じだった気がする。シリーズの区切りなのでいろいろ回収しなきゃいけないという事情もあるんだろうけどさ。設定をひたすら追いながら派手な画面を楽しむ〜って情報過多の現代には合ってるんだろうけれども。

一応ダニエル・クレイグ版007は全部観てるのだけど、すっかり忘れてるので、最初から見直してから行けばもっと乗れて楽しめたんだろうなあと、自分の無精を口惜しく思うクレイグ版最終作でございました。
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