デヒ

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのデヒのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

私の基準スーツが一番よく似合うジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグの最後の作品。
序盤のアストンマーティンD85でのアクションは圧倒的にかっこよかった。迫真感溢れるアクションのシークエンスで映画は始まるが、緩い展開と情報不足に、魅力のないヴィランによってますます緊張感が消えていく。007シリーズにおけてヴィランと雰囲気の重さが劇を率いていく上で最大の魅力だと思うのだが、今作では重さがあまりにも物足りなかった。
一人で孤独な戦いをしてきたボンドが家族を作り、愛する人々のために犠牲をする…。彼は殺人者ではなく、英雄的な死を選択した人間として退場する。ジェームズ・ボンドの最後を華やかに飾ったのだが、必ずしも良いとは言えない。むしろ英雄らしさを強調しすぎ、華やかさという視覚的な要素だけであった失望的な退場だった。これまでにない新しい変化を試みることはよかったが、その試みがうまく働いたと言えるだろうか。
オープニング音楽は本当に良かった。他のシリーズに比べて歴代級にボンドの人生をよく表しているような音楽だった。しかし結末と比較すると…。 違和感があるほどあまりにも違う。

ダニエル・クレイグのボンドとしての最後の作品という点で期待をたくさんしただけに失望も大きかった映画。マドレーヌはこれといった活躍がなく、キャラクターたちを軽く消費してしまったのが残念だった映画。本作でダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは幕を閉じたが、最後の挨拶とともに完全に送るまではもう少し時間がかかるだろう。

アナ・ディ・アルマスはとても魅力的だった。
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