ジェイティー

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのジェイティーのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

現役を退いたボンドはマドレーヌと共に平穏な日々を送っていた
ある日過去に愛したヴェスパーの墓を訪れるが捕縛済みのスペクター首領ブロフェルドの仕掛けた罠と傭兵たちの襲撃を受け、なんとか危機を脱する
その際に傭兵の一人から聞いた証言にマドレーヌへの猜疑心を拭えず分かれることを決意した。
5年後、一人隠遁生活を送るボンドはCIAのフィリックスからロシアの細菌学者救出の依頼を受けスペクターの面々が集まるパーティに潜入、そこで特定の人物を死に至らしめる細菌兵器の脅威を目の当たりしたことで世界の危機に立ち向かうお話。

これまでのボンドと異なり明確につながりのあるダニエルボンドの最終作
随所にショーンコネリーから始まったシリーズのエッセンスとエピソードなんかを散りばめてより従来の007味を感じさせてくれました。
そういえばラストバトルが007っぽい秘密基地なのもダニエル版では初ですかね。
特定の人物を殺害できる細菌兵器、メタルギアソリッドのフォックスダイを思い起こさせるあたりボンドの運命がちょっと透けて見えてしまう所は、
これまでのどのジェームズボンドとも違う物語を紡いでいたこと、ボンドを一人の人間として描いていたことがあったからなのかもしれません

後半はやや失速していたのとラスボスのサフィンがあまり目立っていないので少々物語への介入が遅かった気がしないでもないですが前半のアクションの派手さとカジノロワイヤルから暗躍しているスペクターを壊滅させるほどの新たな勢力の存在など興味の持続が続く良い流れだと思います。
特に新米CIAエージェントのパロマを演じたアナ・デ・アルマスがキュート、ちょっと天然だけど腕と度胸は立つところが往年の007感(ブロスナン版あたり)を感じさせてくれる愉快なパートでした。

今回ボンドの死を描いたことは賛否が分かれる所ですが次回の007もまた異なる世界観で描くことができることと次にバトンタッチされる俳優さんがボンド像を作り直せるなどが想像できるので評価の高いダニエル版への差別化を図るうえで考えられる最善の策だったのかもしれませんね

次作の007も楽しみですがひとまずダニエルさんおつかれさまでした。