toriten45

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのtoriten45のレビュー・感想・評価

4.1
あー、沁みる。切ない気持ちでラストを迎え、強い余韻を残してくれる007映画でした。アクションもカーチェイスもクオリティ高くて見応えがあり、話もテンポよく進みメリハリも効いていて、2時間半超えの上映時間は気にならなかったです。

日系人が世界の舞台で活躍してくれるのには心が躍ります。特に“007”というビッグネームなシリーズ映画ともなるとなおさら。キャリー・ジョージ・フクナガ監督の“007”は全27作品の中で一番面白かったです。和テイストもほんの少しだけ盛り込んでいて嬉しい。

ダニエル・クレイグ版のラスト(第5弾目)。この括りでの私的な楽しさランキングは5→3→4→1→2。傑作だったクレイグ版第3弾『〜 スカイフォール』('15)に劣らないストーリー展開の素晴らしさ、品の良さが戻ってきた感じでした。

このダニエル・クレイグが演じた青い目にブロンド髪のジェームズ・ボンドは伝統を重んじる方からすると「ちがう」らしいのですが、今回は“少女”を登場させたことで「ちがうくない」と押し返しているみたい。この演出も素敵です。

そして大注目中のレア・セドゥー。秘密を抱えていてミステリアスだけどクールで一見淡白にも感じますが、繊細な演技で感情が波打った時の高低差が最高。胸を締め付けられる…。

それ以外に思ったことをつらつらと。↓

☆ MI6チームの連携プレイはいつもよりは目立たないけど、ほどよくQとイブが介入してくれる。

☆ 何といっても新007の登場にビックリだけどイヤじゃない。

☆ キューバで登場したアナ・デ・アルマス演じる美人エージェントは凄腕だけど天然。それが魅力的。

☆ 新旧と取り揃えられたアストン・マーチンが衣替えのように登場して楽しい。

☆ 一筋縄ではいかない雰囲気ぷんぷんのクリストフ・ヴァルツの演技がやはり安定している。

☆ Qのガジェットは地味だけどここぞという時にボンドの窮地を救う。

『〜 スカイフォール』と本作『〜 ノー・タイム・トゥ・ダイ』は今後も繰り返し観たいな。
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