かたくりこ

少女は夜明けに夢をみる/ 夜明けの夢のかたくりこのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

新聞広告を見つけた母が観に行きたいと言ったので同行。
チケットを買うためにホームページをチェックして何となくの作品情報を得て鑑賞。
なんと監督さんが来日されていて、上映前後に貴重なお話をお伺いすることができました。

さて作品。
これが現世で同時に起きていることとはやはり受け入れて難い現実。「受け入れがたい」という表現は適切だろうか?私が目を逸らしていたり認識していないだけか?
世界中で人種差別、内戦、飢饉、環境問題など様々なことが起こっている。そしてこの作品がフューチャーしているのもそのひとつ。

イランの更生施設内での少女たちの様子や声。更生施設と言っても日本の「更生施設」とはかけ離れている。監督のお話を伺ってもまるで拘置所のようなものだと感じた。
大人たちに裏切られた少女たちは、お互い傷を持った者同士、施設の中で生活していくが、彼女たちに光差す未来は約束されていない。
「施設を出たら、あなたが自殺しようが関係ないの」
これは更生施設のスタッフが出所する少女に言い放った言葉だ。衝撃。これがイランの現実。これがイランの更生施設。

私の歳の半分くらいの少女たちが望まない結婚、妊娠、出産をしたり、クスリに手を出したり、生きるために盗みなどの犯罪を犯す。そして女性ばかりが激しく罰せられる社会。

彼女たちは賢い。インタビューや日常の様子などを見てもしっかり自分の意見を発言することができている。それ故に悔しいと感じる。その社会に対して。

出所した少女たちは生きているだろうか?
とある少女のこれからの夢は「生きること」だと言っていた。
どうかその夢を実現し続けていて欲しいと願ってやまない。
かたくりこ

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