Maiko

顔たち、ところどころのMaikoのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
4.0
55歳ほど差のある2人が旅の途中で出会った人たちを巻き込んで作品を作っていくドキュメンタリー。
だんだん目が見えなくなりつつあるヴァルダ、消えてしまうとわかっていて写真を撮り、貼り続けるJR。「合理性」のために失われていく仕事、誇りを持って継承し続ける人々。それぞれに歴史とドラマと仕事がある、そんな当たり前の事になぜかとても心が揺さぶられた。
ヴァルダは映画監督になる前は写真家だったそうで、写真もとても素敵でした。ツートンカラーのショートボブに、肩に猫乗せて。フェミニスト色の強いヌーヴェルヴァーグの監督というイメージだったけど、こんなキュートな一面もあったなんて知りませんでした。生前にもっと観ておきたかった。
サングラスを絶対外さないJR、本当はすごく繊細なのかな。友人として対等に、でも細やかで思いやりを持って接しているのがわかる。素敵な2人が大好きになりました。
ラストは何というか、ある意味ほんまにゴダールらしいなと。「はなればなれに」オマージュのルーブル疾走やったり、ヴァルダには特別な存在だったんだろうな。
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