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友罪のkisekireiのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
4.3
再犯を含む少年犯罪の件数は、ここ数年でぐっと減っている。
法務教官や精神科医などが試行錯誤を繰り返し「反省させる」「厳しくする」ことだけでは何も変わらないと言う基軸のもとに組み立てられた更生プログラム。
その結果が顕著に再犯の少なさとして表れているのだろうと私は個人的に思っている。

先日再逮捕された茨城夫婦殺人事件のようなことが起きると、また何も考えてないマスコミやヒステリックな一般人が、単純馬鹿のように更生施設を批判する。

様々な少年犯罪の経緯や少年の生い立ち、そしてその後を見ていると
この作品が投げかけたテーマを、軽々しく語ることができなくなる。

もちろん、被害に遭われた方々やご遺族を思うと、その悲しみは計り知れない。
簡単に他人がどうこう言える話でも無い。

自分がどちらの立場にあるかによっても、正義は変わると思う。
また、その正義さえ、思いもよらない気持ちの変化や事柄で、変わる事もある。

この作品を通してもっとも感じたこと
この世から、悲しい事件や事故がなくならない限り、せめてずっと問い続け、一方方向だけで物事を考える生き方はしたくない。

無知にも関わらずものを言う人間にはなりたく無い。

答えはでずとも、人間を知りたいと思う気持ちを持ち続けたい。

当然賛否両論あるだろう作品を、世に出してくださった役者さん、スタッフの方々に謝意を表する。
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