瑛里

カンナさん大成功です!の瑛里のレビュー・感想・評価

カンナさん大成功です!(2006年製作の映画)
4.2
*表象分析「カンナさん大成功です!」

「カンナさん大成功です!」(2006、韓国)
あらすじ:ゴーストシンガーであるデブでブスなカンナは全身整形をし、ジェニーという名で歌手として大成功。
意中の相手サンジュンとの恋愛も好調であったが、カンナはついに自分が整形美女であることを告白することに・・・

表象分析:整形した姿がまさに、一般的な美人の典型で、周りの男性の態度が一変するシーンはコミカルに描かれているが
リアル。整形前のカンナはプロデューサーのサンジュンからもデブスと言われ、彼女に優しくしていたのは、
ゴーストシンガーとして利用するためだったという切なさ。
サンジュンはジェニー(=カンナ)のプロデュースをするためにカンナと関わることが多くなり、最終的には彼女の内面を好きになる
という結末だ。しかしそれは、そもそもカンナが整形していなかったら彼女の中身を知ることもなく、好きになることもなかった
ということを表している。
一言でいえば、「外見が良くなければ内面は見てもらえない」ということになる。
カンナの性格は整形前、後も変わらず、純粋な性格だったように描かれているからこそ、こういったルッキズムが
浮き彫りになっている物語だと私は感じた。
もちろん、全ての人間関係が、「見た目が合格でなければ、中身を見るよしもない」で成り立っていたら、私がこんなにも友人たちに
恵まれているのはおかしいということになるし、美人やイケメンしか友達ができないなんてことはないだろう。
しかし、話したこともないような遠い関係から近づこうとする場合(例えばナンパ)は、判断材料として「見た目」しかないのだから、
性格が良いブスは、築けたかもしれない良好な関係の分母がそもそも少ないということになる。そういった点でブスは
、損することが多いと思わされた。
瑛里

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