チッコーネ

カンナさん大成功です!のチッコーネのレビュー・感想・評価

カンナさん大成功です!(2006年製作の映画)
2.5
『白鳥麗子でございます!』の鈴木由美子原作コミック映画化で、2006年の韓国興収NO.1ヒットと知ってはいたが、「時間の無駄になりそうだから」と後回しにしてきた作品。
しかし何となく観始めたドラマ『アクシデント・カップル』に出演していたキム・アジュンは確かに魅力的だったので、肯定的な印象が残っているうちに鑑賞。
なお彼女がファン・ジョンミンを骨抜きにする『アクシデント・カップル』は、1話80分前後×全16話と、恐ろしく長い。
おかげで顔の造作がしっかりインプットされていたため、本作冒頭から登場するブスでデブなヒロインも彼女だと、すぐにわかった。
継ぎ目のわからない二重顎は特にすごいが、ハリウッドの、一流特殊メイクチームの手によるものらしい。

脚本はテーマの深掘りを、やんわり回避。
しかし、いちおう『増加の一途を辿る整形人口に対し、肯定的なドラマを作ろう』という大義名分を持っている。
その在り方には、ひと昔前のメジャー製作ゲイ映画に通じるものが。
一般的な韓国男性の『整形女に対する評価』が語られる台詞は興味深いほか(女性だけがルッキズムの被害者でないことも、やんわり描かれる)、キム・ヨンゴン演じる芸能事務所社長の鬼畜ぶりも怖い。

そして整形後のヒロインとその親友がお互いを確認し合う場面あたりに、ぼんやりとした既視感あり…制作陣は原作コミックだけでなく、桃井かおり×松坂慶子の『自由な女神たち』を参考にしているかも。