Masa

コンプリシティ/優しい共犯のMasaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます


中国から日本に出稼ぎに来た不法滞在の技能実習生の青年。早々に希望は打ち砕かれ、危険は承知の上、名前を偽り、住み込みのバイトをすることに。そこは、藤竜也さんと娘さんが切り盛りする蕎麦屋さん。ひっきりなしに人が訪れる繁盛店である。青年は、言語の壁や慣れない環境に戸惑い、故郷の母親からのプレッシャーに焦りながらも、主人をはじめとする周囲の優しさ、田舎町の日常に安心感を抱き始め。。。


中国パートがいい。
町の雰囲気、母や祖母役も含めて説得力がある。
ひいては、日本描写との対比も克明となって、既にこの題材を描くことに成功しているし、すごいと思う。ラストも必然。作り手の優しい眼差しを感じる。

ただ、日本側のお話には乗り切れない部分がいくつかありまして。
蕎麦屋という設定があまりいかされないままなので、ここに作家の都合を感じてしまうという点。ほかはディテールで、北京に留学にいく女の子のふわふわとした実存感のなさ(もはや紋切り型)、あと、主人公のお金に対する執着が見えなさすぎるのも不思議に思った。最初から最後まで、判然としない、何をしたいのかわからないまま、ただ、成り行き任せの感じがなくはない。

です。
Masa

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