「KCIA」にも登場したチョン・ドゥファンがクーデターを起こし、それに対するデモを行った学生や市民を特殊部隊を投入して弾圧した虐殺事件を、現地取材に来た海外記者と彼を連れて回ったタクシー運転手の目線を通して描く。
暖かい雰囲気のポスターとコメディタッチな導入から突如、韓国版「デトロイト」級の最前線に観る者を叩き落とす本気の社会派ムービー。
それでいて盛り上げるための脚色やカーチェイスなどエンタメ精神も諦めず、それが作品の邪魔をしていない事が凄い。
あんなタクシーの使い方するなんて思わないし、オタクが見たら韓国の緑のタクシーのおもちゃを欲しくなっちゃう映画なんて今後現れないでしょ。
最近よく見た韓国ノワールは淡々としたスパイ映画だったが本作は一般市民目線の人間ドラマが主体できっちり泣かせにくる。
ソン・ガンホ演じる運転手が金目当てのケチな男から正義や使命感に目覚める瞬間のエモさは本物。
外国人記者とのバディ友情ものとしてもかなり高評価。
近年の韓国映画のレベルの高さはどうなってるのか。
