1980年に起こった光州事件を実際に実在した人物をもとに描いた作品。
光州事件、名前を聞いたぐらいで詳細は全く知りませんでした。
僅か、40年前にこんな酷い事件が起こったなんて驚きました。ドイツの記者が報道しなければ隣町の人間でさえ、同じ国でこんな残酷な事が起きたことも知らなかった事実にもびっくり。
映画を観ながら最近起こった香港やミャンマーでのクーデターを思わずにはいられませんでした。多分、同じ様な軍による圧力で市民が傷つけられ、力でねじ伏せられているんだろうな。報道されている以上にもっと多くの人々が犠牲になっているんだと思うと悲しくなります。
最初はお金の為だけだった運転手が、事件の深刻さに直面していくにつれ、自分が犠牲になっても記者を生きて空港に送ろうとする気持ちの変化をソン・ガンホは見事に演じていました。ソンさんだけではなく、他の俳優さんの演技も本当に素晴らしかく、ラスト近くのシーンで思わず涙が出てきました。
力で人を制圧する事の非情さを知ってもらう為に、こう言う作品が力になれるんじゃないでしょうか。
骨のある、良い作品だったと思います。
