Sari

あしたはどっちだ、寺山修司のSariのレビュー・感想・評価

3.9
2018/06/22 名古屋シネマテーク

1975年、寺山修司が計画した壮大な市街劇「ノック」。
警察が出動し、逮捕者まで出したこの市街劇、内容を聞いているだけでワクワクした。
新宿で、街全体を巻き込んで、あちこちで突発的に劇がはじまる。
もし私がこの時代に生まれて物心つく若者だったなら、きっと同じように熱狂していただろう。

あまり自分の事は語らなかったと言われる
寺山修司。
元天井棧敷の団員達や親戚など関わった多くの人々の証言はとても興味深かった。

作品を紐解く上で、
一番気になったのは母親とのエピソード。
母親に対する憎しみと愛情の入り混じった複雑な親子関係が作品に影響を与えていたのだろう。

今回の特集の最後にこの作品を鑑賞出来た事は、締めくくりとしてとても良かった。
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