- 人は、救えませんよ
嘘
他人を傷つけないための方便
“恥”を隠すための方便
自分を守るための方便
家族
同じ家で暮らす人?
血で繋がった人?
だけど、お互い何を考えているかなんて絶対わからないんだ
だって他人なんだから
それでも、どこまでいっても「他人」にはなれない
「家族」を守るための壮大な嘘
失ってしまったものまで守れるわけではなかった
それでも、柔らかく、ゆっくり、再生するために
嘘に嘘を重ねて
家族は歩き出す
- あの霊媒師、インチキね
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傑作だ
ある一人の死を、正面切って描ききる
この映画には、見るものに迫る切実さがあった
養老孟司の言うように、死はどこまでも残されたもののものなのである。そこに死んだものは不在なのだから。喪失を向き合うのは、遺族だ。
そして、宇野祥平の乱入に怒りに近い不快感を感じた時、改めて「家族の輪郭」をみた。
何より、木竜麻生の存在感に圧倒された
彼女の静謐な苦しみに、切実な怒りと後悔に、観るものは共鳴しこの映画の意味を知る。
大傑作「菊とギロチン」に続いて、大きな衝撃を受けた。
他の様々な映画で彼女が見たいと、また改めて思った。
ただ、ここに並ぶ、引きこもりや自死への理解の浅さを露呈しているとしか思えないレビューの数々に、観るものを選ぶのかもしれない、と思いました。悲しいことですが。