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レザーフェイス―悪魔のいけにえのharuのレビュー・感想・評価

4.0
トビー・フーパー監督が生み出した、
ホラー映画界を代表するスプラッターアイコン レザーフェイス。
その異常性の誕生を描いた最新作。
今回メガホンを執ったのは、
『屋敷女』『リヴィッド』でホラーマニアを驚愕させた兄弟監督
ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロ。

観客を突き放して滅多打ちにするかのごとく振り切った残虐描写と、
常軌を逸した脚本で開いた口の塞がらない『屋敷女』、
残虐は鳴りを潜めてオカルトホラーに針を振って
美しくも陰湿な雰囲気で恐怖を煽った『リヴィッド』。
本作はどちらかといえば前者の感じに近くなるのかな、と思いきや、
見事にその中間に位置する作風となっていました。

あくまでレザーフェイスの誕生を描いた物語なので、
世紀の殺人鬼の虐殺ショーではなく
少年がなぜ異常な殺人鬼へと変貌したのか、に着目しており、
残虐描写はあるにはあるが弱火を保ちつつ、
少年のドラマと、周囲の異常環境の描写がメインになっています。
ある種、『スタンド・バイ・ミー』に近いかも。

そういう点では、レザーフェイスの虐殺ショーを
『屋敷女』の監督の手腕で観られると期待していた
ファンはややガッカリな反応でしたが、
シリーズをオリジナルからリメイクまで追いかけ続けた身としては
この描き方も非常に楽しめましたし、
やはりトビー・フーパー最後のプロデュース作品
ということもあって感慨深いものがありました。
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