歩く肉

花筐/HANAGATAMIの歩く肉のレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
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きつい、きつすぎる。30や40過ぎのおじさんをかき集めて、みんなに17歳を演じせるのは、とてもきついものがあります。
舞台向けの過剰な演技や朗読劇かの如くの棒読み演技に震え上がり、違和感に次ぐ違和感な演出のオンパレードに阿鼻叫喚した3時間弱でした。
確かに映像は良かった。振り返って考えると印象深い場面が幾つもあった。寺山修司やホドロフスキーを意識してるようにも見えた。しかしこれは好みの問題でしかなくて、シンプルに個人的に大林監督のセンスは生理的に受け付けられない。
感覚で言うと、大林監督の映画って、文学者が書いた脚本ではなく、文学にかぶれた者が書いた脚本に思えてしかたがない。本作はいわば、文学にかぶれた少年がそのまんま夢を抱えて爺さんになってつくった集大成みたいな映画だった。
でも好きか嫌いかで言えば、好きとは言い難いが、嫌いではないといったところ。
映画を観たあとに残った自分の感情の残滓をよく見てみたら、意外にも好意的なものだったりする。そんな感じ。
歩く肉

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