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カランコエの花のibuyasanのネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ストーリーはバッドエンド(主人公の涙)で終わるが、「どの分岐で違う道を選んだら、主人公たちを救うことができただろうか?」と考えさせられる作品だと思った。

保健の授業でアウティングの危険性についてもっと丁寧に教えていたら?
主人公の母親がもっと積極的にLGBTについて学んで当事者と触れ合っていたら?
興味本位でLGBTを探す男子生徒に対して保健の先生がもっと諌めていたら?
バス停で、言葉に詰まった友人に対して自分から話題を振ってあげていたら?
黒板の書き込みを消す時にもっと違う言葉を掛けてあげていたら?

などなど、あの場面で違う分岐を選択していたら結果は違ったんじゃないか、と思うことがたくさんある。

(個人的には最初の保健の授業の内容がひどく、「LGBTに対して理解の無い先生の典型例を描いてるのかな?」と感じるほど、表現とか伝え方にかなり改善の余地があるなと思った。)

全体的に気持ちを直接言葉にする描写が少なく視聴者の想像に委ねられるシーンが多い。母親からカランコエの花言葉を聞いて(自発的に)シュシュを身につけた主人公が、結果的に友人を傷付ける結果になってしまったことに切なさ・不条理さを感じてしまった。
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