HAYATO

カランコエの花のHAYATOのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.8
2024年43本目
第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞した短編作品
とある高校の2年生のクラスで、ある日唐突に「LGBTについて」の授業が行われたことをきっかけに、クラス内にLGBT当事者がいるのではないかという噂が広まっていく。
来年の春から放送されるNHK連続テレビ小説でヒロインを務める今田美桜さん主演。
LGBT当事者ではなく、周囲の人々の目線から描かれているのが特徴的であり、今まで見てきたLGBT映画とは一味違う切り口になっている。
保健室の先生が良かれと思って行った授業が全ての始まりであり、生徒たちに余計な憶測を呼び起こしてしまう。
自己満足な善意が結果的に当事者を苦しめる様子にハッとさせられ、潜在的な差別意識に起因する行動が孕んだ危険性を実感する。
人を愛す喜びに満ちたエンドロールがとても印象に残り、LGBTに向けられる心ない差別に改めてやるせない思いを抱いた。
今田美桜さんと笠松将さん以外知らない役者さんばかりだったけど、感情を丁寧に汲み取る中川駿監督の演出も相まって、非常に心に響く作品だった。
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