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スターリンの葬送狂騒曲のBOBのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.5
故独裁者スターリンの後釜を巡る共産党内権力闘争を描いた歴史ブラック・コメディ。

"Josef Vissarionovich Stalin, you have betrayed our nation and destroyed its people. I pray for your end and ask the Lord to forgive you. Tyrant."

ロシアで上映禁止となったのも納得できる、超ブラックな政治風刺コメディ。「スターリンの葬送狂騒曲」という邦題がぴったり。

当事者たちは至って真面目だが、傍から見ると、醜く愚かでバカバカしい争いが繰り広げられる。後半に行くに連れて盛り下がってしまったような印象は受けたが、『博士の異常な愛情~』『バイス』『ボラット』といったこの手の黒い笑いは結構好き。

スターリンが転倒したような物音が聞こえたのに、許可なく入室して殺されることを恐れた見張り兵が意識不明のスターリンを一晩放置してしまうエピソードや、医者を粛清しすぎて緊急時にヤブ医者しか残っていないエピソード、我先に発車するべく相手を出し抜こうとするコント、スターリンの死と共に用無しになった影武者の後始末など、ニヤニヤ笑ってしまうコメディが連発した。

"No problem" "No, problem"

"I want to make a speech at my father's funeral."
"And I want to fuck Grace Kelly."
"I simply don't care."

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