えいこ

スターリンの葬送狂騒曲のえいこのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.7
史実に基づくブラックコメディ。どこまでが史実なのかは置いておいて、独裁者の突然の死にテンションの上がる側近たちのドタバタがとにかく可笑しい。スティーヴ・ブシェミがフルシチョフ。お喋りで軽いがこんな人だったのかしら。フルシチョフとベリヤの攻防がメインだが、各大臣ともキャラが立っていて飽きない。スターリンの葬儀の壮大さは、実写映像でも見たことがあり、その裏側を覗く感じに興味津々。

拷問や逮捕、粛清シーンもあり、スターリンの恐怖政治を思うと、笑いは不謹慎にも思うが、権力の周辺はこんなものなのかもしれない。所詮は人間だもの。しかし、誇張しているとはいえ、マレンコフはじめ国家のトップとしては、出来が悪すぎる。イケてたのは軍最高司令官ジューコフくらい。フルシチョフが残るのは必然だが、その地位も移り変わるのを最後のブレジネフの登場が示唆。

コメディだが、宮殿や森は美しく、音楽も荘厳で、クレジットや字幕も洒落てる。センスの良い佳作。
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