2002年、冬季オリンピック予選の最終戦。女子モーグル北米3位のモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、五輪出場を目前にしていた。心理学教授の厳格な父親(ケヴィン・コスナー)のもと、幼い頃からひたすら練習を重ね、12歳の時の背骨の大手術からも復活したモリーだったが、その大会で松の枝にぶつかりスキー板が外れて転倒、怪我を負った彼女のアスリート人生は終りを迎えるのだった。
その後、ケガから回復したモリーは、ロサンゼルスで1年間の休暇を取っていたが、バイト先のボスからポーカー・ゲームのアシスタントを頼まれる。
そこは、ハリウッドスターのプレイヤーX(マイケル・セラ)、映画監督、ラッパー、ボクサーなど大金持ちの有名人ばかりが集まる場所であった。ゲームの参加費は1万ドル。一夜で100万ドルの金が動くスリリングな世界で、最高レベルの人々との交流に生き甲斐を見つけるモリーだったが、数年後、突然クビを言い渡されてしまう。
モリーは秘かに練っていた計画を実行し、自ら経営する“モリーズ・ルーム”をオープン。その後、ニューヨークに拠点を移し、並外れた才覚によって新たなる伝説を築いていく。
しかし、2012年、突如FBIに踏み込まれ、モリーズ・ルームは閉鎖。彼女は全財産を没収される。
2014年、回顧録『モリーズ・ゲーム』を出版後、モリーは違法賭博運営の容疑で突然FBIに逮捕される。
もう2年もやっていないと答えるモリーだが、令状を前に成す術もない。何人もの弁護士に断られたモリーは、チャーリー・ジャフィー(イドリス・エルバ)に弁護を依頼。
ジャフィーは、タブロイド紙に載る“ポーカー・プリンセス”は自分向きの事件ではないと断るが、実際のモリーはタブロイド紙に書きたてられるような人物でないことを知り、彼女の弁護を引き受けることを決意する……。
ハリウッド・セレブ相手のポーカー・ルームを経営して悪名を轟かせたモリー・ブルームの半生を描いた映画。
オリンピックのモーグル代表がほぼ確定していた時期に試合で大怪我して競技を引退、ロースクールの学費を稼ぐためにセレブ相手のポーカー・ゲームの主催者の助手を務め客層を広げるなど貢献する中でポーカー・ゲームの常連の人気若手俳優プレイヤーXに誘われ超高額なポーカー・ゲームの主催者になり成功するが、主催者のバックにいたプレイヤーXにクビにされるが、今までの経験で得た人脈を使ってハリウッド・セレブ相手のポーカー・ゲームを経営するようになり、マフィアやFBIにも一歩も引かないタフなメンタルのモリー・ブルームは、ジェシカ・チャステインははまっているし、モリーが逆境を乗り越えていく過程は痛快。
心理学者のモリーの父親とモリーの確執が、モリーの勝ちにこだわる性格に影響していること、ポーカー・ゲームの常連を守るためにFBIとの取引に応じない義理堅さなどモリー・ブルームの人間性にも踏み込んでいて、骨太なヒューマンドラマ映画として楽しめる。