クリムゾンキング

アンロック/陰謀のコードのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

アンロック/陰謀のコード(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

CIAの優秀な尋問官だった主人公は数年前に起きたパリのテロ事件で容疑者の自白に成功しなかったために大量の死傷者を出してしまい、以降現場を離れてロンドンの片隅で囮捜査官としてケースワーカーに身を窶している。
ある時本店のCIAがイスラムの過激派によるテロの動きを察知し、伝達者を確保するが、尋問を担当するはずだったエージェントが暗殺されてしまう。そこで白羽の矢が立ったのが主人公、ブランクとトラウマがありながらも容疑者の尋問に成功したかに見えたが、尋問を依頼してきた人物は実はCIAではなかった!
かくして陰謀とテロの恐怖渦巻く事件に身を投じていくのであった!

尋問がテーマかといえば実際は序盤に少しある程度で逃走型サスペンス。

とはいえCIAやMI5(英国内保安局)を交えての二転三転するストーリーと適度に挿入される近接戦闘、誰が敵で味方か最後までわからないというスパイ映画特有の複雑さがあってとても見応えがあった。

同じくスパイ映画のミッションインポッシブルや007シリーズ、キングスマンのようにスパイツールやド派手なアクションと単純明快なストーリー(これらの作品ももちろん大好きだが)のような「見た目の派手さ」はそう多くないけれど,電話の逆探知や囮捜査での狙撃犯との連携、実際にありそうなバイオテロに恐怖といとも簡単に奪われていく命など別の意味でリアリティがあり良かった。

また主人公の過去のトラウマも、実際はCIAがドローン攻撃による民間時死者数の数字の改ざんについての内部告発者を消すためにあえて見過ごした、という、実際にありそうな(多分あるんだろう)真実だったりと、そういう意味でもリアリティがあった。

そしてなんといっても主人公を演じるノオミ・ラパスの格好いいこと!そしてMI5長官の銀髪の女性も「できる女」感があって非常に格好良かった。

物語が複雑で脳死で楽しめる作品ではなかったけど、入り組んだストーリーと近接戦闘、格好いい女性情報員と好きな要素てんこ盛りでとても面白かった。