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輪違屋糸里 京女たちの幕末のwhitelilyのレビュー・感想・評価

3.4
小説は未読、だけど大好きな浅田次郎先生の幕末もの!ということで楽しみにしてた作品。史実と照らし合わせてみると創作部分がやはり多い印象。でもまた違う視点から見てみるとおもしろい。

変えられない運命、そのなかで苦しみながらもがきながら自分の人生を生きようとした島原の女と壬生浪士組。糸里のような芯の強い女性はいつの時代もかっこいい。男も女も文字通り死と隣り合わせだった時代、その言葉や想いには人生をかける覚悟があるのだな〜と思い知らされる。

壬生浪士組の面々がかなりイメージと違う~〜うーんっていう個人的に納得いかないところはあれど、なんといっても主役は糸里。時代の波に翻弄されつつもしっかりと地に足をつけた彼女の覚悟や強さを描きたかった作品だと思うので、とりあえずそこはいっか。

ラストの桜木の花魁道中…ならぬ太夫道中(?)は凛として美しかった。いつの時代も、人と人との関わりのなかに守りたい愛があるものだ。

小説も読んでみようと思います。
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