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愛の殉教者たちのnenettoのレビュー・感想・評価

愛の殉教者たち(1967年製作の映画)
3.8
チェコスロヴァキア・ヌーベルヴァーグ特集。
チェコといえばヴェラ・ヒティロヴァのひなぎくくらいしか知らなかったのだけれど、改めてチェコスロヴァキア映画の芸術性の高さに驚く。
台詞は殆どなく、靴音(この響きがとてもよいのだ!)と粋な音楽、軽妙な動きや誘う動作などで、愛に焦がれる3人の男女のそれぞれのストーリーが紡がれていく。

台詞の少ない映画は得意な私なので、頭と心で自分なりに解釈しながら未知なる世界へ進んでいく楽しみもあり、こういうの大好物!


1話目の「操作責任者の誘惑」の男はコウモリ傘を、2話目の「ナスチェンカの夢」のナスチェンカは小ぶりの古びたトランクを3話目の「孤児のルドルフの冒険」のルドルフは目覚まし時計を常に持ち歩いている。自分が大切にしているものの何か象徴なのだろうか。

ナスチェンカの妄想の中でのドレスに着替えるシーンが素敵。霞を纏う様に薄衣を少しずつ身体に巻きつけながらドレスを象っていく。
普通のドレスに着替えるよりもふわふわと「夢」らしさが強調されている。

1話目に「ひなぎく」のマリエたちがカメオ出演し、ケタケタと笑い転げるおまけ付き。
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