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ジェラルドのゲームのmのレビュー・感想・評価

ジェラルドのゲーム(2017年製作の映画)
4.9
スティーヴン・キング原作によるNetflixオリジナル映画の傑作。倦怠期の中年夫婦の刺激を求める遊びが、妻に思わぬ苦境をもたらす。

男達から抑圧されモノとして扱われてきた女性の物理的かつ心理的脱出劇。サスペンスとフェミニズムの力強い融合!幻覚や回想との行き来の仕方も見事。

非常に限られた舞台でハタから見ると小規模だが当事者からすると絶対絶命の絶妙な事態を描くソリッド・シチュエーション物で、並の監督なら大事故になるが「サイレンス」「オキュラス」「ソムニア」と外れなしの隠れた鬼才マイク・フラナガン監督の高度な映画技法が全編に渡って炸裂して見事昇華され、マイク監督の最高傑作となった。‬

「スパイキッズ」シリーズのお母さん役で知られるカーラ・グギーノが全編ほぼ出ずっぱりで、自身の置かれた苦境と自分の分身や幻、トラウマと対峙し孤軍奮闘する主人公を大熱演。彼女自身の女優人生の一生の誇りになる名演を残した。
ブルース・グリーンウッドも嬉々として細やかに怪演。子供時代の主人公と父親を演じる役者達も素晴らしい。撮影や脚色といったスタッフワークも御見事。

マイク・フラナガンの次回作はNetflixのドラマシリーズ。この監督にハリウッドでは作りづらくなった小〜中規模の映画を贅沢に作る場を与え続けるNetflixの嗅覚、恐るべし。

激痛描写に御注意を。
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