ベトナム戦争からイラク戦争の時の流れ。それは、父親と息子の年齢差。
ずっとアメリカは戦争をし続けた。だから父も息子も戦場に行った。
父親は、ベトナム戦争の退役軍人。息子は、イラク戦争で戦死し顔をなくした。
「あの戦争の目的は?」
父親と戦友二人は、何度も問いかける。だが、答えは永遠に戻ってこない。
彼らができること。それは、息子の埋葬を、けっして海兵隊の定番「英雄、名誉、アーリントン」にはめないこと。
気弱で愚直な父親、アル中気味のバーテンダー、もとは喧嘩野郎の牧師。
彼らの弔いが始まる。
戦争シーンはひとつもない。戦争反対の嬌声もない。何のための戦争論議もない。
あるのはオヤジたちのベトナム戦争時代のバカ話。息子の棺を運ぶ、彼の戦友との下ネタ合戦。
一生背負っていくものを、上手にやり過ごしていく。
そんなオヤジたちに、痺れるような共感を覚える。