【光州事件さながら!Netflixで観られるセネガル大統領選】
FIFAワールドカップ2018ロシア、6/25(月)0:00に日本対セネガル戦が行われる。Netflixでセネガル映画ないかなーと調べていたら一本だけありました。その名も『セネガルの春』。ヒマラヤ・メルー峰シャークスフィン登頂を捉えた『MERU/メルー』で一躍有名になった女性ドキュメンタリー作家エリザベス・C・バサヒリィが、2012年セネガル大統領選の混乱を撮った作品とのこと。果たして...
☆『セネガルの春』概要
2012年セネガル大統領選にカメラが迫った!汚職により貧富の格差を広げてしまったアブドゥライ・ワッド大統領。次回の大統領選にも出馬の意向を示しているが、貧困に苦しむセネガル市民は立ち上がった!デモでもって、対抗馬のマッキー・サルを勝たせようとした。しかし、ワッド大統領は軍を差し向け、放水、銃撃で市民を鎮圧。果たして大統領選の行方は...
☆セネガルの光州事件
先日、当ブログで紹介した傑作『タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜』。光州事件の様子を生々しく描いていたのが特徴的でした。しかし、日本から遠く離れたセネガルで、光州事件に近い状況が勃発していた!セネガル大統領選。市民はプラカードや音楽でもって、選挙を盛り上げている。現地セネガル人にマイクを向けると、「俺たちは選挙好きだぜ!」と日本人が観たら自国の政治的無関心を恥じらいたくなるような発言が飛ぶ。
しかし、盛り上がる選挙運動の横でトンデモナイことが行われていたことが明らかにされる。当時の大統領アブドゥライ・ワッドは、三権分立も政教分離も無視して、権力を私物化していたのだ。それにより、金はあるはずなのに貧富の格差が広がってしまう。今回の大統領選は、ワッドの暴走を止める重大な局面なのだ。しかし、大統領選落選を恐れたワッドは、軍を市民に差し向け、放水や銃撃を始める。モスクにまで攻撃を仕掛ける容赦なさに国民は怒りを覚えるのだ。カメラは、激戦の渦中に入っていき、臆することなく、セネガル大統領選の凄惨さを撮る。
と同時にセネガル人の想いも撮る。セネガル市民は、フランスやアメリカの介入を望んでいない。コートジボワールがフランスの介入により、フランス政府によって大統領が決められた過去を持つ。フランスにとって都合のいい人物を国のトップに立たせたのだ。セネガル人は、欧米の介入が自国の平和に繋がるとは考えていない。だからこそ、傷を負っても自分たちの力で国を変えていこうとするのだ。
この熱いメッセージを聞いて、政治に無関心なブンブンはハッとさせられました。もっと政治に興味を持たないとなーと思いました。セネガルのこと全く知らなかった。異国の大統領選の話だが、非常に面白かった。Netflix加入者は是非挑戦してみてください。