コマミー

Visionのコマミーのレビュー・感想・評価

Vision(2017年製作の映画)
4.5
昔の河瀬直美映画のルーツが戻ってきた映画。いわゆるファンタジーの要素に、人間味溢れるロマンスを入れた作品。

内容は、奈良に魅せられたフランス女が、「Vision」という薬草を探しに、山奥の村の男のもとにやってくる。老婆(目は見えないが、心で見てる)にその事を話すと、「やっと会えたな」という。自分は、この言葉が、この物語を動かすたったひとつの、言葉だと思う。その途端、男の周りにいた、様々な人が姿を消すようになる。

この物語のもうひとつのキーワードは、「大木」である。永瀬演じる男(職業は木こり)も、この木だけは切り倒さなかった。この作品の登場人物も皆が、この大木に特別な力を持ってるように感じているようだ。実は、この木こそ、物語の最大なキーパーソンなのではないかと、おもったりする。

とにかく、謎な雰囲気の映画。だが、それでもジュリエット・ビノシュが映画を輝かせている。こんなにも、奈良を堪能できた映画は無い。非常に満足。
修学旅行ぶりに、奈良に行きたくなって来ました。だが、奈良の大仏では無く、少し山奥に行き、この作品に出てきた大木と同じような木を探し、その木にそっと手を当て、森の声を聴いてみたい。
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